自分の後ろ姿
2003年7月30日仕事柄、人に後ろ姿を見られることが多い。
だけど、普段は後ろ姿なんてほとんど気にしていない。美容院に行った時に、後ろの出来上がりを見せてもらって「おお〜」と思うくらい。
三面鏡持ってないし、合わせ鏡もしなーい。
ところが最近ね、ある人が私の後ろ姿の写真を撮ってくれたのだ。
撮られた時は全く気付いてなかったから、出来上がった写真を見てびっくりした。
その写真・・・
もんのすごく「素」のまま、ぼーっと歩く自分の後ろ姿が写った2枚の写真。
それを見て、心臓がドキドキした。
思わずじーっと見入ってしまった。
その写真が、あの人の視線を物語っていたからだ。
昔、色んな人の「後ろ姿」だけを撮った写真集を見たことがある。
並んで歩く恋人同士、我が子を見つめる母、仕事を終えてくつろぐ男達。
それぞれが、言葉の無い物語を紡いでいるようでとても好きだった。
その写真集の最後のページにあった言葉。
「後ろ姿がこんなにも優しく見えるのは、それを見守る人がいるからだ。」
それ以来私は、一緒にいた人と別れる時によっぽど急いでいない限り、「バイバイ!」と言ってから相手の背中を見送るクセがついた。
見送られるよりも、見送るのが好きだ・・。
私の後ろ姿にシャッターを切った時、あの人が何を感じていたのかは聞いてないからわからない。
ただ、その写真を見ていると照れくさいほど暖かい気持ちになれるんだー。
ありがとう、と言いたい。
実は私も、ずっと以前にその人の後ろ姿を撮った事がある。
1つのことに夢中になっているその背中が、残しておきたいほどいとおしかった。
・・・ちぇっ、会いたくなってきたよ。
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