親愛的香港? 〜樂極忘形(楽しすぎて時を忘れる)編〜
2003年11月2日香港4日目の朝は、目覚ましよりも早く起きた。
まずはカーテンを開け、天気を確かめる。
よっしゃー!青空が広がってる!
今日は、今回の旅行で一番楽しみにしていたシュノーケリング・デビュー IN 香港♪
あっという間に身支度を整え、リュックに水着とデジカメを入れて、ホテルを飛び出した。
待ち合わせは、KCR(香港と広州を結ぶ鉄道)の大学駅。泊まっているホテルから小1時間かかる、香港の郊外だ。
日曜日、まだ朝早いというのに車内は国境を越えて中国側へ遊びに行く人たちで満席状態。
窓の外、流れる景色を眺めていると、乱立する高層マンションと片側3車線の高速道路がだんだんと濃い緑の木々の中に消え、平屋の家が点々と建ち並ぶ田舎の風景になっていく。
待ち合わせの40分前に大学駅に着いた。ここで朝ごはんを食べるために早く来たのよ♪
改札を出て、香港のほとんどの駅に必ずあると言っていい「美心(メイサム)レストラン」を探す。ここは初めて来たけど、ぜーったいあるはず!
あった。
しかし・・・ものすごいことになっていた。
天気の良い日曜日、同じようにどこかへ出かける前に腹ごしらえしようと考えた地元の人たちでごった返しているのだ。
セルフ方式のこのお店、まずレジで欲しいものを注文しレシートを受け取って、カウンターに出す。しばらく待って料理を受け取り、さあ食べよう・・・と思ったら、席がなーーい!
他にも、トレーを持って虎視眈々と席が空くのを狙っている人がうようよ・・・。
さぁティダ選手、早くも熱いバトル開始です!
ここで、日本と香港の決定的な違いを知らなければならないわよ。
こんな時、日本では順序良く並んで待つ場合が多い。しかし、香港でそんなことしてたら一生席に座れません。
食べ終わりそうな人の横に立ち、あからさまにぢっと見る。ぢーーーっと、見る。
それでも負けずにちんたら食べるのも、また香港人だ。「待ってる人がいるから、出ましょうか」なんてこと、誰も言わないもんね。
さて、ティダ選手はと言うと
目ざとく食べ終わりそうな人を見つけ、料理の乗ったトレーを持ちその後ろに陣取った!
しかし・・・・
やはり日本人の血がそうさせるのか、ぢっと見ることができなーい!
目で威圧して、「とっとと食えよコノヤロー」的ビームを出せないでおります!
スープが冷めるのを気にしながら、ちんまりと立ち尽くす。・・・しゃーないわ。
すると、ラッキーにも食べ終わった人がすぐ席を立ち、暖かい食事にありつけました♪
ゆっくりとお茶も飲み終わり、待ち合わせ時間になったので店を出て改札へ。
ちょうどその時携帯が鳴り、「どこにいるの〜?」とDアニキ。
そう、今日は私の水先案内人を買って出てくれたのでーす!
ひょんなことから知り合ったDアニキとはもう付き合いが長く、今ではまるで兄妹のように何でも言える(日本語は全くダメなのが痛いけどね)。
魚好きの彼も、今日は久しぶりのシュノーケリングをすごく楽しみにしていた。
さて、そこから歩いて10分ほどの「馬料水」(マーリウソイ)という所にあるフェリー乗り場へ向かい、9時ちょうどの船に乗った。1時間半の船旅、目指すは「東平洲」(トンペンチャウ)という小さな島だ。
この島を香港の地図で探すなら、香港全土を余すところなく載せてある広域地図を見てね。北東の方向、ずーっと隅っこの方にあります。
定員330人ほどの2階建てフェリーは満席。屋根はあるけどオープンデッキの船内に、気持ちのいい海風が吹き抜けていく。船酔いが心配だったけど、波はほとんどなく揺れなかったから全く問題なかった。
青い海、対岸の美しい景色にすっかりはしゃいでふと横を見ると、Dアニキ爆睡・・・・。
夜中、3時まで起きていたらしい。何でまた。
しょーがないから1人でデッキに出て、思う存分船旅を満喫した。
あっという間に、船は東平洲の港に着いた。心なしか陽射しが強い。
船を降り、桟橋を歩くとすぐ下にたくさんの魚の群れが!寝ぼけまなこだったDアニキもとたんに目を輝かせている。
この島の海岸は、奇岩の景勝地でもあるの。
何百年もかけて波に浸食され、まるでミルフィーユのようになった岩が島の海岸線の半分を取り巻いてる。
折り重なった岩のくぼみには潮溜まりができて、貝や稚魚などたくさんの生き物がいて面白い。海岸をしばらく歩きながら、写真を撮ったり魚を見たりした。
海は綺麗な緑色。ところどころ黒々としているのは珊瑚礁だ。
そんな海を見て、二人ともウズウズ・・・!さっそく「海の家」に行って、シュノーケルセットとウェットスーツを借りて海に入った。
気温27度、水温はたぶん23度くらい。少し冷たい水に身を任せると、すぐに透明な稚魚の群れが目に飛び込んできた。
見渡すと、まだ背が立つほど浅いところにたくさんの珊瑚が生きていて、オヤビッチャ・ハコフグ・ハタタテダイなど驚くほどたくさんの魚がいた!!
うわぁ〜・・・・・・・綺麗。
海岸線に沿って、水深3メートルほどのところに珊瑚礁が群生している。Dアニキはビデオも取れるデジカメで水中写真を撮るのに夢中。私もあちこち泳ぎ回って、カワイイ魚達の姿を夢中で探したわ〜!
でも、1時間も経たないうちに寒くなってきたので、陸に上がって甲羅干し。
Dアニキは心配して一度上がってきてくれたけど、また海に入っていつまでも潜っていた。
まっ平らでスベスベの奇岩の上に寝そべると、太陽がじりじり照り付けて気持ちいい・・・。
微かな風の音、遠くに人の声がする意外はすごく静かだ。
ここはどこ?私は誰?
意識が遠のいてゆく・・・・・。
しばらくたって、いい加減お腹も空いてきた頃、Dアニキが満足顔で海から上がってきたので海の家に戻りお昼ご飯を食べた。
海の家は、空き地にテーブルと椅子を無造作に並べ、周りの木々にロープでビニールシートを張って屋根代わりにしたとても質素な作りだけど、それでも温水シャワー完備だしちゃんとしたご飯も出してくれる。
手羽先と野菜入りのあったか〜い広東麺とミルクティーは絶品だった。お店の主人と奥さんは、田舎の人らしく温和でくったくがない。観光地で出会う、金儲け一辺倒の人たちと同じ人種だと思えない。
泳ぎ疲れた体と濡れた髪を乾いた風に晒して、鳥の声を聞きながらDアニキの撮った水中写真を見ながらのーんびりくつろいだ。
それから海の家を後にして、東平洲島散策へ。ハイキングコースを1時間半ほどかけて島の反対側まで行って、綺麗な風景と自然を満喫、奇岩が続く海岸で夕陽も見た。そしてまたフェリー乗り場まで戻ってきて、5時半の船で香港に戻ってきた。
帰りの船では、2人ともぐったり寝てました。今日一日泳いで歩いて、まるでトライアスロンかと思うくらい動き回ってたもんね。
それにしても、Dアニキのお陰で忘れられない体験ができた!まさか、香港に来て泳ぐとは思わなかった。しかもあんなに綺麗な珊瑚礁。
ホテルに戻って、グデングデンの体に鞭打って荷造り。明日、日本に帰らなくちゃ・・・(嫌〜っ!)
今回も、忙しい時間を割いて私に会ってくれた友達みんなに、心から感謝したい。
また会える日まで、みんな元気でいて欲しい。
何度来ても、私にとって香港はやっぱり「非常開心的世界」(すっごく楽しいところ)なのだった。
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