名前 それは 燃える いのち
2004年1月15日去年、爆発的にヒットした「世界にひとつだけの花」。
歌唱力はこの際触れないとして、いい歌だと思うな〜あの歌詞が。
私は、他人と競うことを好まない。
けれど「競争」が悪いこととは思わないんだ。
小学生の頃は、授業でも遊びでも色んな事で他人と比べられ、優劣をつけられた。
他人より劣っていたり負けたりすると、子供なりに悔しかったり落ち込んだりしたけれど、逆に自分の得意なことをきちんと自覚して伸ばす努力を重ねることができた。
そんな毎日で、小さなことに一喜一憂するいたいけな少女(←異議申し立ては受け付けません)にとって、何よりも支えになったのは母の言葉だった。
特に誰かに比べて私のほうが劣っている時、かあちゃんは絶対怒らなかった。「もっと頑張りなさい」とか「どうしてできないの」という言葉を決して言わなかったなー。
子供ってさ、とうちゃんかあちゃんに愛されたいと思うのは当たり前だけど、それ以上に自分のことで傷ついたり失望したりされると自分がすっごく悪いことした気分になって、とてつもなく悲しくなるよね。
大人になっても変わらないけど・・・親を悲しませたくないってやつ。
そんな、できないことをなじられることなくのびのびと過ごせた小学校時代は、私の人格形成の重要な部分を占めているようだ・・・
などと考えてみる、真冬の夜。
話をヒット曲に戻すが、
昔・・・1979年頃だと思うんだけど、ゴダイゴの「ビューティフルネーム」という歌がヒットしたよね〜。
エ?知らない?
お姉さん、ショック。
この歌も歌詞が素敵だったのよ〜。こないだ作ったCD(ナツメロ特集)にしっかり入れちゃいました。
♪どの子にもひとつの
いのちが 光ってる
呼びかけよう 名前を
素晴らしい 名前を♪
名前って不思議・・・
いつからか、その人らしい名前・名前にぴったりの人柄になってきたりする。
そう言えば香港に遊びに行ったとき、たまたま隣に居合わせた香港人の会話が印象的だった。
「日本人ってさ〜、名前呼び間違えるとすぐ気を悪くするでしょう?中国人に比べてすごく種類が多いから、覚えるのが大変なのよね!」
全くどうしてそんなことで怒るのかしら、とでも言いたげな表情。
そういや、そうだな〜としみじみ考えた私。
私も、名前を呼び間違えられたり忘れられたりするとかーなーりー寂しいかも。
名前を呼ぶってことは、一番簡単で基本的な「他人を認める行為」だもんね。
○○さんですね、私はあなたを認識していますよって言う・・。
だけど、仕事上たくさんの生徒さんを持つ私は、時々名前をど忘れしちゃう!そんな時は、シンプルに平謝りよ〜。
そうそう、M嬢が鍼日記を見せてくれた時いいことを教えてくれたの。
彼女も私も、先生に毎年年賀状を送っていてね。もちろん先生も書いて下さっていた。
それは、旅行などで見て感動した景色の写真にコメントをつけたものだったんだけど、文章はパソコンで作ったもので全員に同じものを出していた。
ある時、M嬢は先生に言った。
「先生、毎年年賀状を下さってとても嬉しいんですけれど、ほんのひと言でもいいですから直筆でメッセージを入れてもらえたら嬉しいんですけど〜!」
すると、先生は即答。
「何ゆーてんねん!裏なんてどーでもええねん。肝心なのはな、名前や!宛名や!一人一人の名前を手書きでていねいに書くことが一番大切なんやで〜、わかってへんなぁ!!」
う〜ん、納得!!!
それにしても先生だったら、私達のような患者にまで書いたらものすごい数だったはず。
なのに確かに、宛名は必ず毛筆の手書きだった。
しかも達筆・・・・。修練を積んだ書道家が書いたような、それでいて先生の優しさが滲み出てくるような柔らかい字だ。
私も毛筆で年賀状を書くけれど、手書きで相手の名前を書く時は必ずその人のことを思いながら書く。自然に、そうなる。
先生・・・一人一人に思いを寄せながら、新年祝ってくれてたんだ・・・。
M嬢がぽつりと言う。
「ティダさん、私ずっと気になってたんです。
先生、元旦の夜に亡くなられたけど、私の年賀状読んで下さったかなぁ?先生は私のこと気にして下さっていたのに、忙しくってぜんぜん行けなかったから年賀状で”元気で頑張っています”って報告のつもりで書いたのに・・・。」
「Mちゃん、それ元旦に着くように送った?」
「はい。」
「それなら大丈夫!おばちゃんに聞いたんだけど、先生は元旦に医院に届いた年賀状はちゃんと読んだんだって!」
そう聞いたとたん、M嬢の目から大粒の涙がこぼれ落ちた。
「よかった。ほんとによかった。先生に、私が頑張ってること知って欲しかったから。」
そうだよね、良かったね!
私はね・・・年賀状にこう書いたんだよ。
「旧年中は大変お世話になり有難うございました。今年もヤッパリお世話になる予定ですので、どうぞ宜しくお願いします!」
元旦には、笑って読んで下さったに違いない。
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