今月いっぱいで打ち切りになるクラスに今日、行ってきた。

今日と来週でとうとう終わりかぁ・・。
9年間続けさせて頂いたレッスンも来月からは別のプログラムに変わって私のクラスはすっかり忘れ去られるんだ。

私みたいなつたない講師に最後までついて来て下さった方々・・今日もみな口々に惜しんで下さって、私は嬉しいやら申し訳ないやらで複雑な心境です。

もちろん、これからも続けたいと言う人には近くにある別のクラスをしっかりご案内済み。転んでもタダでは起きないわよ。

そんな中にひとり、50代後半〜60代と覚しき男性がいらっしゃって、「来週の最終回には用事で来られないから」とわざわざ挨拶に来て下さった。

「縁あって先生とお会いできたのに・・・ほんとに残念です。」

はにかみながら差し出した紙袋の中には、きれいにデコレーションされた胡蝶蘭の小鉢が入っていた。

・・・感動してしまった。

今、それは部屋の一番目立つところに置いてある。まるで桜の花を先取りしたような薄紅色の花が5つ、細い茎の先に散らばっている。ああ、綺麗だ。

長年続いたクラスが打ち切りになることは、自分に対してよりも生徒さんに対して申し訳ない気持ちで一杯になる。
こんなことは初めてじゃないけど、このやり場のない焦燥感は何度も味わいたくないなぁ。

でも、こんな風に思いがけなく感謝の気持ちを表されて、私の心の中に巣食っていた惨めさ・悔しさがスーッと溶けていったよ。

こんな一瞬のために、今まで頑張ってきたと言ってもいい。

胡蝶蘭を見るたびに、「ありがとう」と自然に思う。

先生と生徒という人間関係は、そこに上下を付けて見てしまうことが多いけれど私はなるべくそれを避けていたい。

先生だからむやみに偉いわけじゃない。
生徒だからむやみにへりくだる必要は無い。

人と人との間には、本来何の垣根もない。そこにあるのは2つの魂だ。ただそこに降りてきた、同じ船に乗るいのちだ。


胡蝶蘭の小鉢が入った紙袋を手渡しながら、一瞬まっすぐ私を見たあの生徒さんの瞳の奥には、あったかーい光が差していたよ。

ああ・・・  本当に、ありがとうございました。

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