水槽と小屋

2004年5月3日
ゴールデンなウィーク真っ只中。

私は先週の金曜日から東京に行っていて、今日戻ってきました。

向こうではイベント盛り沢山だったので、まずは1日(土)の出来事から・・・いってみよう!(←ドリフ調にね♪)



この日、文字通り朝から晩まで私と遊んでくれたのは古い友達のクミ。そもそも私が東京に来たのは、この日の晩に共通の友達である通称”小僧”(でも女)がやる芝居を見るためだった。

そう・・・(遠い目)

私は昔、小さな劇団でアングラの芝居をしていた。

その頃いつも姉妹の様につるんでいたのが、同じ劇団で役者をやっていたクミと小僧と私。それぞれの個性は全く違うのに、人格を形成している根っこにどうしようもなく相通じるものを持っていた私達は、気がつくと子猫のようにコロコロとじゃれ合ってはお互いと自分の存在を確かめあっていたなぁ。

そんな小僧が、8年ぶりに舞台に立つ。芝居から離れて別の道に進んでいた彼女だけど、キャラクターを買われて出演のオファーが来たのだ。役どころは「文楽人形」、クミと私の頭の中にはそれを聞いただけでその姿がありありと浮かんだ・・・これを見ずにはいらりょうか!!

と言うことで開演は夜6時。それまでヒマだった私はクミを誘って私のだ〜〜い好きな場所に付き合ってもらった・・・

それは、ウフッ♪  水族館よ!

いつかは内田春菊さんのように、日本全国の水族館めぐりをしたいと思っているほど私はマニア。一度入ったら食事も忘れて水槽に噛りつき、まず4時間は出てこないわよ。(ちっちゃいとこは除く)

今日の目的地は「葛西臨海水族園」。
JR京葉線・葛西臨海公園駅下車、徒歩3分。遠足気分満点の私達は9時半に改札で待ち合わせた。

仕事の日には考えられないような目覚めの良さで、さっさと身支度をして家を出た私は予定より15分も早く駅に着く・・・はずだった。でも、肝心なところでツメが甘い私は待ち合わせた駅に快速が止まらないことなどツユ知らず、ひとつ先の舞浜駅まで連れて行かれてしまった・・・。(←あくまでも人のせいか)

ふふっ。でも大丈夫。
だって15分も早く着くところだったんだもの。

舞浜駅で降りた私は、余裕の足取りで反対ホームに来た電車に乗り込んだ。するとしばらくたって車内放送・・・

快速東京行きです、次は新木場〜新木場。」

・・・・・・・。

何やってんだー!!!
これじゃ一生「葛西臨海公園駅」に辿り着けないぞおおおお!!

それでも、根が不真面目な(?)私はどうしようもなく笑いがこみ上げてきて、押さえるのに必死。
涙目で肩がヒクヒク、息継ぎができずに死ぬかと思った。

今時小学生でもやらかさないよね〜、こんなこと。

結局15分遅れて駅に着いた私を、クミはいつもの笑顔で迎えてくれた。

さて、気を取り直して水族園。

いきなり私達を出迎えてくれたのはサメだった。いかにも邪悪な人相・・いや魚相を存分に楽しむ。左右に大きく張り出した頭の両端に目がついているアカシュモクザメ、一体世界はどんな風に見えているのか。

階段を下りるとマグロの大水槽。自分よりも大きなマグロが、ドーナツ型の巨大水槽の中をテラテラと泳いでいる。たいていの人が思わず「美味そう」と言うだろうが、私に言わせればそれはご法度、反則技。本来ならエッチラオッチラ器材をしょって海に潜らなければ見ることができない魚の生態を簡単に水族館で見ることができるんだから、食欲はひとまず置いといて欲しい・・・ってまあ、どう見ようがその人の勝手だけども。ごめん、マニアで。

続いて「世界の水槽」。太平洋・大西洋・インド洋・カリブ海から北極南極の海に至るまで、地域別にたくさんの魚達が展示されている。子供連れの一家や、意外にも海外からの観光客が多くごった返している上に、水槽が小さくて見づらかった。それでもやっぱり、色とりどりの魚が珊瑚礁の間に見え隠れするのを見ているとスーッと心が落ち着いていく・・・。小学生の子供と並んでかぶり付きで見ている私達。

更におどろおどろしい「深海の生物」、ウニやヒトデに触ることもできる「渚の生物」、東京湾の魚やクラゲコーナーや実験展示などもあって大人も子供も楽しめる充実度。
残念だったのは、ピラルクなどの大型魚がいなかったこと。巨大な魚がゆっくりとヌラヌラと泳ぐのを見るのが大好きな私だ。

あ、そうそう、絵葉書でしか見たことがなかった「リフィーシードラゴン」がいた!タツノオトシゴに似てるけどそれよりずっと大きくて、体中から海草が生えているように見える。不思議な生き物だ・・・毎日何を考えてんだろ。

外に出ると広い広いペンギンコーナー。ここが一番立派だったなぁ。雲ひとつ無い青空から春の陽射しが降り注ぐ中、泳いだり陸に上がって毛づくろいしたりしてるペンギン達を見ていたら眠た〜くなってきたよ。

さて、食事も入れてたっぷり5時間水族園を堪能した私達はすぐ隣にそびえ立つ大観覧車に乗ることにした。ここのはなーんと高さ117m、輪の直径が111mで日本一!17分で1周する。今日は絶好の観覧車日和で長蛇の列、30分待ってやっと乗ったらクミはいきなり激しい睡魔に襲われた。「1秒でも黙ったら寝ちゃう」と言うので喋り続けてあげた。

故郷か、はたまた魔都か・・・東京の夕暮れを一望して地上に降り、電車に乗っていよいよ小僧の芝居を見に行く。しかし、時間の計算が甘く(クミと私の組み合わせでは日常茶飯事)晩メシを食べる時間がない!!しかも聞けば芝居は2時間を越えるという!!信じられん、映画より長い芝居なんてイカンよなぁ。

未だ睡魔の手から逃れられず、半分意識を失っているクミを突つきながら5分前に小屋(劇場)に着いた。ホッ。

芝居を見ること自体久しぶりだし、100人ほどの小劇場は私のトラウマにもなっていて何だか緊張しちゃったけど、五感いや六感までフル回転させて見た。小僧・・はまり役。想像通り板に付いてたから安心して見ていられた。流石だな。

芝居がはねた後、小僧も含めた他の役者さん達と飲みに行った。その中には昔の役者仲間でもある小僧の旦那さんや、その頃ニアミスしていた美少年系(でも女性)の役者さんなんかもいてめちゃくちゃ盛り上がった。

ああ・・・この感覚。

言葉ではうまく言い表せない、この安心感は久しぶり。

自分を飾る必要が全くない仲間と一緒に過ごす時間。頭を使って理屈をこねなくてもいい、感じたことをそのまま言っても誰も裁いたり裁かれたりしない。それは、芝居を通じて人間の醜さをさらけ出すことができた、受け入れることができた体験を持つ人たちの共通の意識だ。

そうは言っても、小難しい演技論や人間心理学なんかで熱弁をふるっている訳じゃない。お酒の席でよくある、何てことはない雑談。それなのに見る見るうちに自分が自分らしくなっていく。

もう理屈じゃない、ただ、楽しい。

結局終電ギリギリセーフで、クミの家に泊まらせてもらった。

クタクタに疲れた体を布団に滑り込ませて、それでもまだバカなことを言い合って笑うクミと私・・・気がつくと眠りに落ちていた。

小僧、ありがとう! 小僧、万歳!  ビバ、小僧!

それにしても今日が初日。5日の千秋楽まで頑張れよ〜!!

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